論文公開!ビタブリッドCフェイスのビタミンC12時間浸透技術は論文でその効果を実証されています
ビタブリッドC技術の論文を見つけました
皆さんはビタブリッドCフェイスブライトニングの「純粋なビタミンCを12時間継続してお肌に浸透させる技術」とか、「イオン交換でビタミンCがお肌の奥まで浸透!」とか、ちゃんと信じていますか?
ビタブリッドジャパンのウェブサイトにそう書かれているだけで、そんな論文発表とか、ちゃんと説明されていないじゃん! 嘘でしょ!
・・・そう思うのは私だけではないはずです。そこで今日は、ビタブリッドCフェイス、ヘアー、スキンなどすべての基本となる、ハイブリッドビタミンCであるビタブリッドCパウダー自体に関する、研究論文を公開しちゃいます。どこにも載っていませんよ!
もちろん、読みやすいように要点だけまとめておきましたので、是非ご覧ください。ビタブリッドCの効果、効能、そしてその評価も信頼できるものだと分かると思いますので。
参考:ビタブリッドCフェイスの美白効果は研究で証明されています(対APPS等)
論文発表はなんと2003年でした
さて、ビタブリッドCのハイブリッドビタミンCに関する論文はこちらです。リンク先見ても英語ですし、論文自体はPDFですのでご覧にならないで大丈夫です。私の方でまとめています。
Efficient Transdermal Penetration and Improved Stability of L-Ascorbic Acid Encapsulated in an Inorganic Nanocapsule
(参考URL:http://www.koreascience.or.kr/article/ArticleFullRecord.jsp?cn=JCGMCS_2003_v24n4_499)
- 表題:無機ナノカプセルによってカプセル化されたLアスコルビン酸(ビタミンC)の効率的な経皮浸透、及び改善された安定性
- 執筆者:Jae-Hun Yang, Sun-Young Lee, Yang-Su Han, Kyoung-Chan Park, and Jin-Ho Choy
最後のJin-Ho Choyさんがビタブリッドジャパンのウェブサイトに掲載してあるこの方です。
サマリー:角質層を通してビタミンC分子を肌の内側へ浸透させる際に非常に有用
この手の論文は冒頭にまとめがあり、その部分を読めばだいたいのことが分かります。
- 生体適合性のある層状の無機物質によるLアスコルビン酸(ビタミンC)のカプセル化は、層状の無機格子とその間に挿入されたビタミンCが同時に形成される共沈反応により達成されました。
- そのようにして挿入されたビタミンCのナノメートルサイズのパウダーは、シリカナノゾルにより、ナノ多孔性殻構造へと再びカプセル化されました。(注:分からなくて大丈夫)
- シリカを核とした無機構造体で層状化された、この3つからなるビタミンCのナノハイブリッドは、ビタミンCの貯蔵安定性の向上効果とビタミンCの持続的な放出を示しました。
- さらに、無機鉱物によりナノカプセル化されたビタミンCは、角質層を通過してビタミンC分子を肌の内側へ浸透させる際に非常に有用であり、局所的投与において、ビタミンCの経皮浸透を促進します。(気になる場所に塗るだけで良いってこと!)
ここまでがまとめとなります。それでは順に説明いたします。要点を絞って・・・
導入:ビタミンCは凄いけど未解決問題多数あるよ
注:以下についてはGoogle翻訳を活用して、大まかな内容をまとめたものとして記載します。
導入部としては下記です。読み飛ばしてOK!
- 代表的な水溶性ビタミンであるL-アスコルビン酸(ビタミンC)は、様々な生物学的、薬学的、皮膚科学的機能を有する。
- コラーゲンの生合成を促進し、光保護を提供し、メラニン還元を引き起こし、フリーラジカルを除去し、免疫(抗ウイルス効果)を増強する。これらの機能は、この化合物の周知の抗酸化特性と密接に関連する。
- しかし、ビタミンCは、空気、湿気、光、熱、金属イオン、酸素、および塩基に対して非常に不安定。
- したがって、化粧品、皮膚科学、および医薬品の分野におけるビタミンCの用途は、その有用な機能にもかかわらず、限られている。
- ビタミンC誘導体の開発も行われているが、化粧品、皮膚科学および医薬品の用途においては、ビタミンCの不安定性の問題は未だに解決されていない。(注:2003年現在)
- 本研究では、生体適合性と皮膚親和性の高い水和層状金属酸化物のような無機層状物質にビタミンCをカプセル化して安定化させる新しい方法を実証し、化粧品成分として適用することにも非常に成功しています。
まぁ、導入です。ビタミンCの優れた性質と、その弱点を改めて記載していますね。
ビタブリッドCの合成方法
続いて、ビタブリッドCの製造方法です。ただ、2003年の初期論文においては「酸化亜鉛」だけではなく、「シリカ」も使っています。この点についてはその後のビタブリッドCフェイスなどの商品化の際に、解決しているようです。
合成方法についてはむちゃくちゃ難しいのでほぼ割愛しますが、要素をいくつか挙げます。
- 酸化亜鉛水和物(Zinc oxide hydrate)を使うらしい
- 脱炭酸水にL-アスコルビン酸を溶かす?
- そこにNaOH水溶液を混ぜて激しく撹拌
- 酸化しないように窒素ガスを連続的に封入?
- 共沈反応によってできた白色沈殿物を12時間熟成、濾過、洗浄
- この粒子をさらにナノサイズのシリカ粒子でカプセル化
- とにかく、なんか色々混ぜたり熟成させたり、加水分解したり・・・
- エタノールで完全に洗浄し、真空下で乾燥、ビタブリッドC粒子を形成!
といった合成方法でビタブリッドCができあがるようです。真似したい方はどうぞ!(いないでしょ!)
特性評価、安定性試験など・・・
学術論文ですから、この後は特性評価や安定性試験などが続きます。
- X線解析
- 液体クロマトグラフィー
- 電子顕微鏡
- 水溶液化してのX線解析
- 安定性試験
- 試験管環境でのオキシダーゼ阻害試験
- フリーラジカル消去試験
- 経皮転移試験(マウスの皮膚を使って、ヒトの皮膚上の人工汗状態を模倣)
この辺は読み飛ばしてOK!
結果と考察(ここからが大事!)
- ビタブリッドCの構造は、下記のようなものである。
Inorganic layer =つまり無機層の間に、アスコルビン酸の化学式が封じ込められていることを示しています。アスコルビン酸の陰イオンが水酸化亜鉛シートに封じ込められているそうです。
- 0.5マイクロメートル(μm)の均一な粒子でできているが、一つ一つの粒子にナノサイズの多孔質シェル構造が形成されており、その中にアスコルビン酸分子がとんでもない数で入っている
この一つの粒が0.5マイクロメートル。つまり0.0005ミリメートル・・・。500ナノメートルとも言います。ここまで来ると電子顕微鏡でしか見れません。
この粒の中に・・・アスコルビン酸分子が大量に入っているのです! もはや目には見えません。
- ビタブリッドCに含まれるアスコルビン酸は12時間後も継続して、イオン交換プロセスにより放出される(NaCl溶液に溶かしています)
こちらのグラフはビタブリッドジャパンのウェブサイトにもよく出てきます。ただ、実のところ7時間くらいまでが一定の放出量で、その後の放出量はちょっと鈍ってしまうんですよね。
ここではNaCl溶液、つまり生理食塩水でのビタミンC放出実験ですよ! ただの水に溶かしたわけではありません。食塩水だとイオン交換プロセスが発生するわけです!(人間の汗とかと同じですよ)
- 純粋なビタミンCを水に溶かすと4週間以内に、10%未満まで減ってしまう(不活性化)
- ビタブリッドCの場合は、水に溶かしても、4週間で95%がアスコルビン酸として残ったまま!
これは、ただの水に溶かした場合のアスコルビン酸とビタブリッドCのビタミンC残留率ですね。イオン交換が発生しないただの水であれば、ビタブリッドCのビタミンCは4週間後でも安定して保っていることが分かりました。
これは、無機水酸化亜鉛層とアスコルビン酸塩との間での、界面表面電荷相互作用によって、分子レベルでビタミンC分子がカプセル化しているから、安定しているのだそう。
さっきの電子顕微鏡画像の丸っこい多孔質の小さな孔(あな)から、ビタミンCが出てこないってことです。
注:水道水とかは塩素はいってますから、混ぜちゃったら4週間も持ちませんからね。ダメですよ。
- ビタブリッドCは強力な抗酸化作用(ラジカルスカベンジャー機能)を持っている
- ビタブリッドCは、純粋なビタミンCをクリームに混ぜて塗布した場合に比べて、より多く角質層を通過して経皮吸収される
こちらの図は、皮膚に浸透したビタミンCの濃度を時間の経過とともに測ったものです。
w/o emusion とは、Water in Oil エマルジョンと訳します。乳化剤とも言いますが、水を弾く皮膚を通過させるためのクリームです。
研究では、ビタブリッドCパウダー(a)は、ビタブリッドCパウダーを混ぜたクリームや、純水ビタミンCを混ぜたクリームより、多くのビタミンCを12時間に渡り経皮吸収させたことを証明しました。
では、どうしてビタブリッドCはそんなに効率的に経皮吸収できるのか。
- まず、ビタミンC分子は界面表面電荷相互作用によって、無機層の間で固定化されています
- さらに、ナノサイズのシリカで作られた多孔質のシェル構造で覆われています
- 多孔質のシェル構造は人間の皮膚から排出される皮脂、汗などをその穴に効率的に吸収します
- 多孔質の穴に皮脂や汗(NaCl)を吸収すると、イオン交換プロセスによってビタミンC分子はゆっくりと穴から出て、皮膚の表皮に送達されます
多孔質の球体自体は皮膚に吸収されませんが、その球体のいくつもの穴からビタミンC分子がイオン交換プロセスによって、皮膚に浸透していくわけです。
結論
- 様々な機能を持つビタミンCは、無機材料でカプセル化され、安定させることができる
- カプセル化したビタミンC(ビタブリッドC)は純粋なビタミンCに比べて、極めて優れた貯蔵安定性を示し、優れた時間制御放出を可能にした
- さらにビタブリッドCは純粋なアスコルビン酸と同等の抗酸化作用を持つ
- ビタブリッドCで安定化されたビタミンCはイオン交換プロセスによって皮膚バリア機能(角質・角質層)を通り抜け、効果的に真皮へ浸透できる
という内容が、本論文の結論でした。
筆者の補足:分子サイズが小さいから経皮吸収される
ここで、私の意見補足を入れておきます。
ビタミンCとよく比較されるAPPSやその他のビタミンC誘導体ですが、実は分子量が大きくなってしまっています。分子量が大きくなると、角質層のスキマを取り抜けることができず、皮膚からは全く吸収されません。
ビタミンC誘導体は純粋なアスコルビン酸に、体内で分解されるとは言え、余計な分子をくっつけているので、実は成分として分子サイズが大きいのです。ですから、皮膚から吸収できる本当にギリギリサイズになってしまっており、吸収効率がすこぶる悪い。
ところがビタブリッドCは、500ナノメートルの無機材料の球体から、アスコルビン酸(ビタミンC)の分子をそのままのサイズで放出するわけです。まるで空母から艦載機を飛ばす、アメリカ海軍のよう・・・?
アスコルビン酸は分子量がとても小さく、皮膚バリア機能(角質・角質層)をくぐり抜けて、お肌に浸透するんですね。
したがって。ビタブリッドCはビタミンCが皮膚バリア機能を通過して、経皮吸収される、唯一のビタミンC化粧品であるわけです。
皆さんも「かずのすけ」さんみたいな、自分でちゃんと調べないで適当に評価する人に騙されないでくださいね。
以上、長くなりましたが、本日の通信はここまで。