ビタブリッドCフェイスの全成分と安全性を完全解説
全成分解説でビタブリッドCフェイスを丸裸に!
最近本当によく目にするようになった、ビタブリッドCフェイス。ネットでは色々な書き込みがありますよね。美白効果がどうだ、副作用がどうだ、悪い口コミももちろんあるようです。
でもそれって本当に正しいの? 怪しいサイトに書いてることって信じても大丈夫なの? どの情報が真実なのかしら?
そんな疑問に対して、化粧品メーカーに勤務する私の方で、全成分解説を通じていくつかの疑問を解消していきたいと思います。ビタブリッドCフェイスを丸裸にいたしますよ~!
ビタブリッドCフェイスの成分は10種+1
さて、ビタブリッドCフェイスブライトニングですが、パッケージの裏にある成分表記は次の通りとなっております。
- アスコルビン酸
- 酸化亜鉛
- ステアリン酸グリセリル
- アセチルグルコサミン
- ナイアシンアミド
- セリン
- ベタイン
- 加水分解コラーゲン
- アデノシン
- 水
- アラントイン
上記の通り、11種類です。ただし、「水」は成分を混合する際に必要になっているだけで、お肌に対するプラスもマイナスも起こしませんので、解説対象からは除外いたします。
ということで、まず覚えていただくこととしては、ビタブリッドCフェイスはたったの10種類+1の成分で構成されている、ということです。成分はたったの10種類で5,000円の価格・・・それで本当にリーズナブルなのでしょうか?
全成分を順番に完全解説!
化粧品は「成分量の多い順に記載する」ことが、日本化粧品工業連合会のルールとして定められています。ただし、1%以下の含有量の成分は、順不同で記載して構いません。前述の「水」についても、成分表記の10番目ですから、含有量としては極微量であることが予想されます。見た目上は粉末ですから、おそらく、乾燥工程での僅かな残りではないかと。
それでは、さっそく順番に成分を見ていきます。
アスコルビン酸(美白・抗酸化)
成分配合量第一位の成分です。3gのビタブリッドCフェイスの中の多くが、このアスコルビン酸かもしれませんね。
アスコルビン酸とは、みなさんもよくご存知の「ビタミンC」のことです。強い抗酸化作用があり、メラニン色素の生成を抑制する働きがありますので、代表的なアンチエイジング効果のある物質として有名ですね。ビタミンC自体を解説しだすとそれだけで本が書けるくらい情報量がありますので、気になる方は下記の記事をご覧ください。
参考:ビタブリッドCフェイスに含まれるビタミンCの驚きの効果
ただし、水溶性であることから、そのままでは皮膚表面のバリアに遮られて皮膚には浸透しません。これまでの通例では、皮膚に浸透して効果を発揮する様々なビタミンC誘導体が開発されてきましたが、ビタブリッドCフェイスはその部分をイオン交換方式によって、皮膚浸透させている、とのことです。
また、ビタミンCは熱や光に弱かったり、空気中で水分と反応して酸化してしまうなど、取り扱いが難しい成分です。ビタブリッドCフェイスではどのようにして、12時間も安定してビタミンCを放出させているのでしょうか?
この辺は成分解説後に、後述したいと思います。
酸化亜鉛(収れん作用・抗炎症)
ビタブリッドCフェイスへの配合比率、第二位。
亜鉛・・・と聞くと、金属の亜鉛を思い出しますよね。実際は金属の亜鉛を反応させて作られた、別の特性を持つ物質です。医薬品や化粧品に使われる、安全性が極めて高い物質ですからご安心ください。
化粧品に配合される場合には、実は大変多機能な成分になっています。
紫外線散乱剤としてUVケア商品に使われる
酸化亜鉛の物質的特性として、紫外線を反射する効果がありますので、紫外線散乱剤としてUVケア商品(日焼け止めクリーム)などに配合されます。
粉末の白さを活かしてファンデーションに配合
多くのファンデーションに、特にライト系の色味の商品に多めに配合されていることがあります。前述の紫外線散乱効果もあるため、UVケアと明記されていなくても、若干の紫外線散乱効果は期待できますね。
水分・油分の吸収特性に優れ、制汗剤に配合
酸化亜鉛には強力な「収れん作用」があります。酸化亜鉛パウダー自体も汗や皮脂を吸収し分泌を抑制、サラッとした状態を作り出すため、制汗剤などにもよく配合されます。
実際の「収れん作用」のメカニズムですが、酸化亜鉛が触れることでタンパク質を変性させ、皮膚組織や血管を縮めます。縮まったことで、お肌が引き締まったり、汗が出にくくなる効果が現れます。
抗炎症作用を活かして亜鉛華軟膏に配合
酸化亜鉛には穏やかな「抗炎症作用」があります。前述の収れん作用と合わせて、傷口などに塗布すると、傷を乾燥させて炎症を沈め、治りを良くします。ステロイドほど強い効果ではありませんが、赤ちゃんにも使えるほど安全ですので、「亜鉛華軟膏」の形で小児科ではよく処方されます。
ビタブリッドCフェイスでは別の目的!?
ただし、ビタブリッドCフェイスにおいては、これまでに書いてきたような、酸化亜鉛としての機能を目的にしたのではなく、アスコルビン酸(ビタミンC)を熱や光、水分などから守るための構造体として、酸化亜鉛を活用しています! とはいえ、上記に上げたような酸化亜鉛自体がもつ効果・効能も期待できますよ。
ちなみに、酸化亜鉛は水には溶けません。お肌に塗った場合でも、お肌に吸収しきらず、大部分は溶けずにお肌の上で残ります。(安全ですけでど)
ステアリン酸グリセリル(浸透強化)
ビタブリッドCフェイスへの配合量、第三位。
ステアリン酸グリセリルはこれまでの2つと異なり「界面活性剤」と呼ばれるカテゴリーの成分です。簡単に言えば、本来は混ざり合わない水と油を混ぜるために使われる成分です。数十年前から使用されている、安全性が保証された物質です。
前述の「アスコルビン酸」と「酸化亜鉛」に比べると、直接お肌に作用する効果がみられない、異質な成分ですね。個人的な予想ですが、おそらくビタブリッドCフェイスパウダーを「乳液やクリームに溶かした時」に働いてもらう成分なのじゃないかな、と思います。パウダーが乳液やクリームに混ざりやすく(溶けやすく)なる効果。
また、皮膚表面の皮脂膜をくぐり抜ける際にもこの界面活性効果は役に立ちます。浸透作用を向上させる効果がありますので、アスコルビン酸がお肌に浸透する作用を補助していると考えられます。(こちらの配合意図の方が強いのかも)
アセチルグルコサミン(保湿機能強化)
ビタブリッドCフェイスの配合量、第四位ですが、おそらくこの辺からは配合量がかなり少なくなってきているのではないでしょうか。他社でも「アセチルグルコサミンが大量に入ってる化粧品」は聞いたことがありません。※経口摂取のグルコサミンサプリを除く
アセチルグルコサミンは、人体に存在する保湿成分である「ヒアルロン酸」の元になっている成分です。アセチルグルコサミンの摂取により、皮膚内におけるヒアルロン酸生成を促進させ、お肌の潤いの再生に効果があります。
※なお、ヒアルロン酸自体は分子量が大きいため皮膚に塗っても吸収されません。アセチルグルコサミンなどを塗布することで、体内でのヒアルロン酸生成を助ける方が効果的だと言われています。
ナイアシンアミド(抗シミほか多機能)
配合量第五位。この辺からは順不同に配合されている可能性もありますので、順位表示は割愛していきます。
ナイアシンアミドは別名、ニコチン酸アミド。ビタミンBの一種です。アスコルビン酸と同じくビタミン類であり、多機能な成分です。代表的な機能として、
- 細胞間脂質の合成促進作用
- 表皮バリア機能改善作用
- かゆみ抑制作用
- ニキビ改善作用
- 色素沈着抑制作用(抗シミ)
などがあります。
ナイアシンアミド単体でも、シミを防ぐ成分として医薬部外品登録が行われているほどの、有名な美白成分でもあります。様々な機能を持つ優秀な成分ではありますが、配合量としてはさほど多くはないと想定されますので、詳細説明は割愛しておきます。
セリン(保湿機能強化)
セリンはアミノ酸の一種です。生体内に存在していますし、体内でも作り出すことができる物質です。人体が持つ保湿機能である、NMF(天然保湿因子)の2割を占めると言われている、保湿に重要なアミノ酸です。
こちらも、これまでに述べてきた成分と同様、お肌に吸収されることによって体内での保湿機能を強化してくれる成分です。
ビタブリッドCフェイスはあくまで「化粧水」に溶かして使う商品ですから、表面的な保湿機能は「化粧水」に委ね、あくまで体内の保湿機能を強化する成分を配合させているのかもしれません。
ベタイン(保湿)
天然のアミノ酸系保湿成分です。無色無臭で皮膚への浸透性に優れた柔軟性と弾力性が高い保湿成分です。しっとり感が向上するため、もしかすると、ビタブリッドCフェイスに含まれる酸化亜鉛などの、収れん作用を補うような効果(=乾燥感の緩和)を期待して配合されているのかもしれません。
加水分解コラーゲン(保湿)
みなさんもご存知の、お肌の弾力成分、コラーゲンです。コラーゲン自体は大きいので皮膚から吸収されるものではありません。そのため、加水分解などによってコラーゲン繊維を分解し、分子量を落とします。
ただし、加水分解コラーゲンでも分子量は500程度あるため、そのままではお肌に吸収はされにくいとされています。あくまでお肌表面の凹凸によくなじみ、表面を潤す作用を期待しての配合ではないかと考えられます。分子量が大きいコラーゲンでは、お肌表面への馴染みがよくありませんので。
アデノシン(血行促進)
元々体内に存在する成分です。血行を促進する効果があります。
また、アデノシンで検索するとよく出てくるのは「育毛効果」です。以前からアデノシンの持つ血行促進効果に資生堂が注目し、育毛効果も追加で認められています。
アラントイン(抗炎症)
薬効が強いため、化粧品への配合量に上限がある成分です。肌荒れやニキビの赤みを抑える消炎効果、細胞の活性化などの効果があります。
「粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの100g中に0.3gまで」とされていますので、0.3%上限といったところです。余談ですが、育毛効果も認められています。
・・・以上がビタブリッドCフェイスに含まれる、水以外の全成分の解説でした。安全性については全く問題ありません。すべての成分に長い歴史があり、配合量上限のあるアラントインも当然ながら、基準を守っています。(守らないと化粧品の登録承認が降りません)
あれ?ハイブリッドビタミンCはどこに
ざ~っとみて気がつくことですが、先程の10種類の成分を見ても、高価な原材料を使っていないように見えるんです。配合量1位のアスコルビン酸も、2位の酸化亜鉛も構造が単純で製造も容易、古くからあり、これ以上生産効率も上がらないような、単純な物質です。同様に3位以下を見ても、製造が難しいような、原価がかかっている成分があまり見当たりません。
あれ~? 不思議だな・・・そして・・・ビタブリッドCの根幹でもある「ハイブリッドビタミンC」のような、特殊な成分が特に見当たりません。これはどういうことなのでしょうか?
ビタブリッドCフェイスの秘密は酸化亜鉛!
実は、ビタブリッドCフェイスの大きな特徴は、酸化亜鉛にあります。上の写真は「ビタブリッドC」パウダーの電子顕微鏡写真です。この一つの粒が0.5マイクロメートル。つまり0.0005ミリメートル・・・。500ナノメートルです。ここまで来ると電子顕微鏡でしか見れません。
ビタブリッドCは世界特許の技術で、酸化亜鉛に特殊な加工を施し、多孔質(びっしり穴が空いている)シェル構造にしています。その、酸化亜鉛の一粒一粒の穴という穴に、アスコルビン酸分子が大量に入っているのです! もはや目には見えません。
参考:論文公開!ビタブリッドCフェイスのビタミンC12時間浸透技術は論文でその効果を実証されています
成分表では「アスコルビン酸」と「酸化亜鉛」なんですが、その酸化亜鉛とアスコルビン酸をかなり特殊な技術(LDH技術)で結びつけるために、複雑な製造工程が必要で、そのせいで想像以上に製造コストが掛かっているのだと考えられます。成分名として「ハイブリッドビタミンC」が登録されているわけでもないんで、パッケージの成分だけ見ても分かりにくいんですが。
成分自体は単純でも、製法自体がむちゃくちゃ複雑で高度。これもまた、プレミアム化粧品にはよくある話でもありますよ。「同じ成分を混ぜ合わせたら競合企業でも作れるモノ」ではない、ということですね。
まとめ:成分からみるビタブリッドCフェイス
では、最後にまとめます。
これまで見てきましたように、ビタブリッドCフェイスはわずか10+1種の成分で構成されています。成分自体は過去数十年前から使われている安全性の確立された成分や、そもそも元々人体に存在する成分で構成されています。
一見すると成分は単純で作りも簡単そうに思えますが、実は「酸化亜鉛」にこそ、「ハイブリッドビタミンC」として12時間継続浸透を実現する秘密(特許技術)がありました。
なお、ビタブリッドCフェイスを成分特性から考えると、どうも酸化亜鉛が持つ、収れん作用が強く出て、お肌に乾燥感をもたらしてしまうような気がしています。私も実際にお肌に塗布した際に、最初の頃は乾燥感を感じましたから、やはりな、といったところです。
ご使用の際には、保湿クリームなどで十分に保湿して使うと更に良いのではないかと思います。お使いの際にはぜひ、そのような点にも気を使われるとよろしいのではないでしょうか。
余談:ビタブリッドCフェイスは無香料・保存料フリー
これまでに述べてきましたように、ビタブリッドCフェイスの成分はわずか10+1種。その中に、保存料や香料は含まれていませんでした。よく言われる7つのフリーなどを当てはめてみますと・・・
- 石油系界面活性剤(ステアリン酸グリセリルは非石油系なのでOK)
- 防腐剤(使っていません)
- アルコール(使っていません)
- 鉱物油(使っていません)
- 合成着色料(使っていません)
- 合成香料(使っていません)
- シリコン(使っていません)
ということで・・・何一つ、有害なものは使っていないのです。シンプルな成分で作られているがゆえに、分かりやすい。
安全な商品です。ご安心くださいね。(^_^)